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日本で買い物をするなら、ぜひ活用したいのが免税(タックスフリー)制度です。対象の条件を満たせば、商品にかかる消費税10%分がお得になります。
ただし、2026年11月1日から、この免税制度のしくみが「リファンド方式」へと大きく変わります。買い物のしかたや消費税分の受け取り方が変わるため、旅行の時期によって手続きが異なります。
この記事では、日本に住む筆者が、免税の基本から対象・買い方、そして2026年11月の新制度までを、国税庁・観光庁の情報をもとにわかりやすく解説します。
日本では、ほとんどの商品やサービスに10%(食品などは8%)の消費税がかかります。免税制度とは、日本国外へ持ち帰ることを前提に、外国人旅行者などが対象商品を買うとき、この消費税分が免除(または後から返金)される制度です。
英語では「Tax-Free」と呼ばれ、これを利用できるお店を「免税店」といいます。免税店には、国が定めた「Japan. Tax-free Shop」の共通ロゴマークが掲示されているので、これが目印になります。
デパートやドラッグストア、家電量販店、ドン・キホーテなど、旅行者がよく訪れるお店の多くが免税に対応しています。
ここで大切な注意点があります。2026年11月1日から、免税の受け方が「その場で消費税が引かれる」方式から「いったん払って後から返金される」方式へと変わります。
まずは現在の制度と新しい制度の違いを、次の章でしっかり押さえておきましょう。旅行の日程が11月をまたぐ場合は、特に確認しておくと安心です。
2026年10月31日までの購入では、免税店のレジでパスポートを提示すると、その場で消費税分が差し引かれ、税抜き価格で買えるのがこれまでの方式です。支払いの時点ですでに消費税がかかっていないため、旅行者にとっては手続きがシンプルでわかりやすいのが特徴でした。
お店側はパスポートを確認した時点で、その場で消費税分を値引きして販売します。ただし、この方式には、購入した商品が国外に持ち出されず、国内で使われたり転売されたりするケースを防ぎにくいという課題がありました。
実際に、免税で買った商品を国内で転売して不当に利益を得る事例が問題視されており、これが今回の制度改正の大きな背景となっています。この従来方式は2026年10月末までの購入に適用され、11月1日以降の購入からは、次に説明する新しい「リファンド方式」に切り替わります。
旅行の時期によってどちらが適用されるかが決まるため、出発前に自分の日程を確認しておきましょう。
2026年11月1日からは、免税店ではいったん消費税を含む「税込み価格」で商品を購入し、出国時に税関で国外への持ち出しが確認されたあと、後日、消費税相当額が返金(リファンド)される方式に変わります。
旅行者の手続きは、大きく「購入 → 登録 → 出国時の承認 → 返金」という流れになります。具体的には、免税店で税込み価格で商品を買い、指定のWebサイトやアプリでパスポート情報・購入情報・返金先(口座など)を登録します。
そして出国時に、空港などに設置された免税手続き用の端末(キオスク端末)にパスポートを提示して税関の確認を受け、承認されると、後日、登録した口座などへ消費税相当額が送金されます。
いったん消費税を払う必要がある点、そして返金は帰国後などに後から受け取る形になる点が、これまでとの大きな違いです。返金の具体的な方法(クレジットカードへの返金か、口座送金かなど)は、事業者や空港によって異なる場合があるため、購入する店舗で最新の案内を確認してください。
現行方式と新しいリファンド方式の主な違いを、表にまとめます。
| 項目 | 現行(〜2026年10月31日) | リファンド方式(2026年11月1日〜) |
|---|---|---|
| 店頭の支払い | 税抜き(免税価格で購入) | 税込み(いったん消費税を払う) |
| 消費税分 | その場で免除 | 出国時の持ち出し確認後に返金 |
| 一般物品/消耗品の区分 | あり | 廃止 |
| 消耗品の特殊包装 | 必要(開封できない) | 不要 |
| 消耗品の購入上限(50万円) | あり | 撤廃 |
| 税関での持ち出し確認 | ― | 出国時に税関で確認(購入日から90日以内) |
この表のとおり、新方式では一般物品と消耗品の区分がなくなり、消耗品の特殊包装や50万円の上限も廃止されるため、制度そのものはシンプルになります。一方で、「出国時に税関で持ち出しを確認してもらう」という新しいステップが加わります。次の章から、対象者・対象品・具体的な手順を順番に見ていきましょう。
免税を利用できるのは、日本の「非居住者」にあたる人です。具体的には、観光などで短期滞在している外国人旅行者が主な対象となります。
反対に、日本に住んでいる人や、日本での滞在が6か月以上になる人などは、外国籍であっても対象外となるのが原則です。
手続きの際には、本人のパスポート(旅券)の提示が必要です。新しいリファンド方式では、船舶で入国した場合の「船舶観光上陸許可書」だけでは免税を受けられず、あわせて旅券の提示が求められるなど、本人確認がより厳格になります。
なお、日本国籍を持つ人でも、国外に2年以上住んでいることを証明できる場合は非居住者として対象になりますが、これは一般的な旅行者にはあまり関係のないケースです。
免税を受けるつもりで買い物をするなら、まずは自分が「短期滞在の旅行者」にあたるかを確認し、当日は必ずパスポートの原本を持ってお店へ向かいましょう。コピーやスマートフォンの画像では手続きできない点にも注意が必要です。
免税の手続きでは、購入時にも出国時にも、パスポートの「原本」が必要になります。コピーや写真では受け付けてもらえないため、買い物に出かける日はパスポートを忘れずに持ち歩きましょう。
新しいリファンド方式では、出国時に空港などの税関に設置された免税手続き用の端末(キオスク端末)へパスポートを提示し、持ち出しの確認を受けます。
このとき、端末の画面に税関検査の要否が表示され、検査不要(グリーン判定)ならそのまま手続き完了、検査が必要(レッド判定)なら税関の検査場所で商品の持ち出し確認を受けるという流れです。
旅行者の多い成田・羽田・関西・中部・福岡・新千歳・那覇などの空港には、この端末が設置される予定です。パスポートは免税手続きの土台となる大切な書類なので、購入から出国までしっかり管理しておくことが、スムーズに免税を受けるための基本になります。
免税の対象になるのは、日本国外へ持ち帰る「物品」です。衣類や化粧品、日用品、電化製品、お菓子などのお土産まで、幅広い商品が対象になります。一方で、ホテルの宿泊代や飲食店での食事、交通費などの「サービス」は免税の対象外です。
また、日本国内で使ってしまうもの(その場で食べる・使う目的のもの)も対象になりません。
金額の条件として、同じお店で1日に購入した合計金額が「税抜き5,000円以上」であることが基本です。
現行制度では、この対象品が「一般物品(衣類・家電など)」と「消耗品(食品・化粧品・薬など)」の2種類に分かれており、それぞれに細かいルールがありました。とくに消耗品には、開封できない特殊な包装が必要で、購入上限が50万円までという決まりがありました。
新しいリファンド方式では、このあたりが大きく変わります。
2026年11月からのリファンド方式では、これまでの「一般物品」と「消耗品」の区分が廃止されます。これにともない、免税対象になるかどうかの金額判定も、区分せずにまとめて(税抜き価格で)行うようになります。
さらに、消耗品にあった特殊な包装は不要になり、購入上限50万円という制限も撤廃されます。そのため、旅行者にとっては「化粧品や食品はいくらまで」「開封してはいけない」といった細かいルールを気にする必要が減り、制度がわかりやすくなります。
ただし、「税抜き5,000円以上」という下限や、購入した商品を国外へ持ち出す必要があることは引き続き条件です。
なお、1点あたり100万円以上の高額な商品については、商品を特定できる情報(シリアル番号など)の記録が求められるなど、高額品には別途の扱いがあります。一般的なお土産や買い物の範囲であれば、以前より手続きの手間が減ると考えてよいでしょう。
現行方式はシンプルです。まず、免税店で対象商品を選び、会計のときにパスポートを提示します。すると、その場で消費税分が差し引かれ、税抜き価格で購入できます。
消耗品(食品・化粧品・薬など)を買った場合は、開封できない専用の袋やフィルムで包装され、日本を出国するまで開けずに持ち出すのがルールです。購入時に渡される書類やパスポートに貼られた記録は、出国時まで大切に保管します。
支払いの時点で消費税がかからないため、旅行者が「あとで返金を受ける」といった手間はありません。デパートによっては、各店舗のレジではなく専用の「免税カウンター」でまとめて手続きをする場合もあります。
この現行方式は2026年10月31日までの購入に適用されるので、それまでに日本を旅行する方は、この流れで免税を利用することになります。会計時にパスポートを出す、という点さえ覚えておけば大丈夫です。
新しいリファンド方式では、手順が少し増えます。まず、免税店で対象商品を「税込み価格」で購入します(この時点ではいったん消費税を払います)。
次に、指定のWebサイトやアプリで、パスポート情報・購入情報・返金先(口座など)を登録します。そして出国時に、空港などの税関に設置された端末(キオスク端末)にパスポートを提示し、商品を国外に持ち出すことの確認を受けます。
この税関での持ち出し確認は、購入日から90日以内に受ける必要があります(たとえば11月1日に購入した商品は、翌年1月30日が期限です)。確認が済むと、後日、登録した返金先へ消費税相当額が返金されます。
ここで特に重要な注意点があります。大きな荷物を航空会社に預ける前に、税関での確認を済ませる必要があります。商品をスーツケースに入れて預けてしまうと、持ち出しの確認が受けられなくなる場合があるため、手続きの順番に気をつけましょう。
免税を利用するには、そのお店が「免税店」として登録されている必要があります。目印は、店頭やレジ周辺に掲示された「Japan. Tax-free Shop」の共通ロゴマークです。この表示があれば免税手続きに対応しています。
旅行者がよく利用するお店では、デパート(百貨店)、ドラッグストア、家電量販店、ドン・キホーテ、大型ショッピングモールなどの多くが免税に対応しています。
とくにドラッグストアは、化粧品・医薬品・お菓子などお土産にも自分用にも人気の商品がそろい、免税と相性のよい買い物スポットです(日本で買える汗・ニオイ対策グッズなどはこちらの記事でも紹介しています)。
お店によって手続きの場所は異なり、各レジで対応する場合もあれば、デパートのように専用の免税カウンターでまとめて手続きする場合もあります。買い物を始める前に、そのお店が免税に対応しているか、どこで手続きするのかを確認しておくと、スムーズに進められます。
同じ「免税店」でも、手続きの流れはお店のタイプによって少し異なります。ドラッグストアやドン・キホーテなどでは、対象商品を扱うレジでそのまま免税手続きができることが多く、その場で完結するので手軽です。
一方、大きなデパートや百貨店では、各ショップで通常どおり支払いをしたあと、館内の「免税カウンター」へレシートとパスポートを持って行き、まとめて手続きをするケースがよく見られます。この場合、当日の営業時間内に手続きを済ませる必要があるため、閉店間際の買い物では時間に余裕を持つことが大切です。
また、家電量販店では大型商品の配送手配とあわせて案内してくれることもあります。
手続きの方法や必要な条件はお店ごとに案内が用意されているので、迷ったらスタッフに「タックスフリー(免税)をしたい」と伝えれば、その店のやり方を教えてもらえます。事前に手続き場所を把握しておくと、レジで慌てずに済みます。
新しいリファンド方式でいちばん気をつけたいのが、出国時の税関での持ち出し確認です。これを受けないと消費税は返金されません。
とくに注意したいのが手続きの順番で、免税で買った商品を航空会社に預ける荷物(スーツケースなど)に入れる場合は、預ける前に税関の確認を受ける必要があります。確認前に預けてしまうと、商品を提示できず返金を受けられないことがあります。
また、税関の確認の際に、同じレシート(購入記録の単位)に含まれる商品のうち一つでも手元になければ、そのレシートに含まれるすべての商品が免税の対象外になってしまいます。使ってしまった、あるいは預け荷物の奥にしまってしまった、ということがないよう気をつけましょう。
購入から出国までは商品と書類、パスポートをひとまとめにして管理しておくと安心です。空港では手続きに時間がかかることもあるため、時間に余裕を持って向かいましょう。
そのほかにも、いくつか覚えておきたいルールがあります。まず期限について、リファンド方式では購入日から90日以内に、出国時の税関確認を受ける必要があります。長期滞在などで購入から出国まで日が空く場合は、この期限に注意してください。
次に、免税で購入した商品は日本国外へ持ち出して使うことが前提です。国内で使ってしまうと免税の条件を満たさなくなり、場合によっては免除された消費税を支払うことになります。現行方式の消耗品も、専用包装を出国前に開けてはいけないルールがあります。
また、商品を購入店から直接海外へ送る「直送」を利用する場合など、通常とは扱いが異なるケースもあります。判断に迷うときは、購入するお店や空港の案内で最新の情報を確認するのが確実です。
制度は移行期にあるため、細かい運用は変わる可能性がある点も念頭に置いておきましょう。
A. 少し違います。街なかの免税店(Tax-Free)は主に消費税が対象で、この記事で解説している制度です。
一方、空港の出国エリアなどにある「Duty-Free(保税店)」は、消費税に加えて酒税やたばこ税などの関税も対象になるお店です。どちらも免税ですが、対象になる税や場所が異なります。
A. 適用されるのは「購入した日」が基準です。2026年10月31日までの購入は現行方式、11月1日以降の購入は新しいリファンド方式になります。旅行が11月をまたぐ場合は、買い物の日によって手続きが変わる点に注意してください。
A. リファンド方式では、出国時の持ち出し確認のあと、後日、登録した返金先へ消費税相当額が返金されます。返金の具体的な方法やタイミングは事業者・空港によって異なる場合があるため、購入するお店で最新の案内を確認してください。
A. できません。免税手続きにはパスポートの原本が必須です。買い物の日は必ず持参してください。
日本の免税(タックスフリー)は、条件を満たせば消費税分がお得になる、旅行者にうれしい制度です。ポイントを整理すると、2026年10月末までは「店頭で税抜き価格で買える」現行方式、2026年11月1日からは「いったん税込みで買い、出国時の確認後に返金される」リファンド方式になります。
新方式では一般物品・消耗品の区分や消耗品の上限がなくなり制度はシンプルになる一方、出国時に税関で持ち出しを確認してもらうステップが加わります。
買い物にはパスポートの原本を持参し、出国時は荷物を預ける前に税関の確認を受けること——この2点を押さえておけば、免税をしっかり活用できます。
制度は移行期にあり運用が更新されることもあるため、旅行前には国税庁・観光庁の最新情報もあわせて確認しておくと安心です。かしこく免税を使って、日本での買い物を存分に楽しんでください。
※ 本記事は2026年7月時点の情報に基づく解説です。免税制度は移行期にあり、リファンド方式の返金方法・登録サイト・空港ごとの手続きなど、細かい運用は今後変わる可能性があります。旅行前には国税庁・観光庁などの最新情報をあらためてご確認ください。